『ヘルパーステーションはまなす』の今と今後
良い部分は残して、変えていくべきことは少しずつ・・・。
玄関に置かれたキュートなモチーフは、ご利用者さんのご家族から贈られたもの。
―『ヘルパーステーションはまなす』のスタッフの方々、明るくて和気あいあいとしていらっしゃいますね。
アットホームな事業所だと思います。できてから7年半ほどたつ事業所なので、途中から入っていく自分を受け入れてもらえるか少し緊張もしたんです。でも、スタッフ同士楽しそうに会話している風景が見かけられたり、気さくに声をかけてくださる方が多いので、わりとすんなり馴染むことができました。少人数だからこそつくれる雰囲気なのかもしれないですね。
スタッフの訪問スケジュールをチェック。時間変更はその場で調整。
―ということは、スタッフ同士のチームワークもよく?
そうですね。ただ、常勤だとわりとすれ違いになりがちなので、ノートに気付いたことを記入してみんなで共有できるようにしておく、などの取り組みをしています。報告もスタッフの人から積極的にしてきてくれますし。私自身としては、上にたつ立場なのでスタッフと同じ目線に立ちすぎないように気をつけています。一線を引く…まではいかないにしても、ある程度の距離を保ちつつ接していかないと自分の軸がぶれてしまうんですよ。その軸をしっかりと確立するためにも、訪問の現場をもっともっと知る必要があるなぁと。
雪かきシャベル常備は北海道ならでは。扉も二十サッシで寒さ対策も万全。
―なるほど。最初にお話があった『訪問を理解すること』にもつながりますね。今後サ責として、管理者として、改善していきたい課題などありますか?
スタッフのシフト体制に無駄な動きがあるので、そこは何とか改善していきたいですね。例えば、ここヘルパーステーションがあるのは星が浦地区なんですけれども、この近くで午前中に訪問があった後、車で30分もかかる地区に出かけていって、また星が浦である訪問のために戻ってくる、といったシフト組みのときもあって、交通費がかさむうえに、スタッフの負担にも。地区をまたいだ移動がなるべくないよう、調整していかなきゃなとは思っているんですよ。
休憩中にスタッフ同士が和気あいあいと会話する光景もちらほらと。
―ということは、同時に人材配置にも苦戦されている感じですか?。
少人数だと、連絡系統がスムーズでアットホームでいられる反面、人材の代えがきかないデメリットもあります。1人のご利用者さんに同じヘルパーしかはいっていないケースも多く、万が一そのヘルパーがお休みすると対応に慌ててしまったり。ご利用者さんとそのヘルパー同士の相性がよくて、気持ち穏やかでいられるとすれば、余計に他のスタッフをいれることにためらいが生じます。ご利用者さんにもう少しメリハリをつけてもらわなきゃ、とは思うんですけれど、急に変えてしまうとご利用者さんの不安をあおることにもつながりますし、なかなか難しいですね。
訪問に向かう滝田さん。遠くまで行くことも多いので車は必須!
―そこが滝田さんにとっての今後の課題でもあるわけですね。
スタッフに「こうしましょう」と指示するのは簡単です。でもそんな風に私一人で勝手に進めては、職員同士の信頼も崩れてしまうと思うんですね。今までのスタッフたちが築き上げてきた良い部分は残しつつ、変えていくべきことをみんなの理解を得ながら少しずつ改善していくことが、今私に求められていることだと感じています。現場で働くのが大好きな自分ですが、指導する立場として、今後の介護を担う新しい人材を育てていくことも介護職の大事なお仕事のひとつだと今は思っています。
―その見極めについては、どんなに熟練された方でもやはり難しいのでしょうね。
そういう場面に立ち会うと、まだまだ自分の未熟さを痛感します。特に訪問は、ご利用者さんの生活スタイルがベースにあるので、こちら本位に進めるわけにもいきませんし。小さな気付きも逃さないように注意を払っていくことが大切ですね。未熟な分だけ学ぶことも多く、難しいからこそ、やりがいでもあります。
編集後記
介護福祉士として病院で働かれていた10年間、患者さん(ご利用者さん)とお話をすることがすごく楽しかった、という滝田さん。その想いが、今そしてこれからもずっと介護現場で働き続けたいと思えるバイタリティなんだとか。「色々な性格の方がいらして、この人のこんなところがいいなと思うと、みんな愛しくてしょうがないんです」そう話す滝田さんにとって『介護=天職』という言葉がぴったりです。
「私自身この業界で頑張っていこうと思えたのは、5・6年ぐらいたってから。若いときは、『楽しいけれどなんだか大変…』といった感情に揺り動かされて、つい辞めてしまいたくもなると思うんです。でもその先に待つ、本当の介護の楽しさを知ってほしいですね」と若い世代に向けたエールもいただきました!
今回、取材にご協力いただいた滝田友美さんはじめ、『ヘルパーステーション はまなす』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同