茶話本舗デイサービスセンター牛久について
ご利用者さんの意思を尊重しながらその場で対応します。
おやつを手作りしている真っ最中。今日はさつまいもきんとん。
―スパルタ的指導を受けながらの7年を経て、今働かれている『茶話本舗デイサービス牛久』に移られたのはなぜですか?
1つの場所でそれしか見ていないと、やはり視野が狭くなるというのはあると思うんですね。色々知るためにも他のところも経験してみたいな、と。ただずっと1対1の訪問をしていたので、1人に対して5、6人みるような大きい施設はちょっと違うかなぁ・・・と思いつつ、色々募集をみるなかで、ご利用者さんとゆっくりお話できそうな小規模デイサービスに惹かれてこちらを選びました。
ご利用者さんもお手伝い。くるくる丸めて上をキュッと結べばできあがり。
―訪問からデイサービスに変わって、何か新しい発見や学びなどありましたか?
発見というか、レクリエーションの時間に苦戦しています(苦笑)。訪問だと決められた時間内で業務をこなしていくので、時間があまるということがないのですが、デイサービスは7時間とかずっとご利用者さんと一緒。午前中は、ご飯つくって、入浴して…とやるべきことをしながら時間が過ぎていくのですが、ご飯を食べ、口腔ケアが終わって、さぁ自由時間だ! となると「さて、何しよ?」って戸惑ってしまうんですよね。認知症や介護度の重い方が多いので、団体レクリエーションは出来ない。そうなると個別対応になるのでその場、その場の対応が要求される。これが難しいなぁって。
施設長とご利用者さんが楽しく会話中。
―先ほど施設長から「個々にあわせた生きがいや生き様を尊重しつつ、本人も納得して、家族も喜んでもらえるようなサービス」が茶話本舗本来の考え方であるとうかがいました。会社の名前も「ご利用者さんに楽しんで来てもらってお互いに良い縁を」ということから『楽来縁(らくえん)』というのだとか。
そうなんです。だから、基本はご利用者さんの自由。その方の意思を尊重しながら、行き当たりばったりで対応していくので、大変といえば大変。でもそれがやりがいでもあります。お互いに気を遣うことなく、ご利用者さんが自然体でいられる環境が理想ですよね。「遊びにきちゃったわ~」ぐらいの感覚で茶話本舗に来てもらえたらいいな、と。そういう意味では、法律などの決めごとにとらわれない自由さもある事業所なので、本当にご利用者さん一人ひとりにあわせたケアができているんじゃないでしょうか。
ご利用者さんの目線にあわせて会話をする姿が印象的。
―自由…というと、例えばどんなことをされるんですか?
みんなでお散歩やドライブ、「外が見たいわ」というご利用者さんがいれば「花見に行くか!」と希望者を集めて外に出かけることもよくあります。天気がいいから近くのスーパーまでお買い物…とか。そういう場所へ行って楽しんでもらえれば、社会との関わりも多少もてますし、刺激になりますよね。ご利用者さんが望むことを最大限かなえつつ、笑顔で一緒にいられる時間をこれからも増やしていきたいです。
茶話本舗の運営理念。創設者の方の考えがしっかり反映された事業所に。
―ご利用者さんの希望を叶えるためにすぐに行動にうつせるのはチームワークがいい証拠でもありますね。
スタッフ同士の人間関係もすごくいいです。それぞれの役割分担を決めて動いている最中でも、必要があれば自分の手をさっと止めて、他のスタッフのフォローに入ることができる。「これやって! あれやって!」と言わなくても自然に…です。周囲に目を配れる心にゆとりのある人ばかりなので、とても助けられていますし、働きやすい環境だなと。この関係性のよさが、ご利用者さんへの対応にもいいかたちで反映されていけばいいなと思っています!
編集後記
民家回収型のフランチャイズで加盟店が約500店舗もある茶話本舗。それぞれが独立した事業所ながら「楽来縁」と名付けた創設者の理念や想いは、施設長を通じてしっかりと現場のサービスに反映されているようです。
居間のテレビからは韓流ドラマが流れ、思い思いに過ごされるご利用者さんは、みなリラックスモード。「ただいま~」「お帰り~」という声が聞こえてきそうな空間は、まるで温かい我が家のようだなと感じました。
今回、取材にご協力いただいた棚井順子さん、施設長の太田勝治さんはじめ、『茶話本舗デイサービスセンター牛久』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同