■移動距離の長さに、最初は戸惑いました。
▲スケジュール確認など、事務作業を行う室岡さん。
―小山市は訪問介護事業所の数が多いようですね。
室岡さん:そうですね、小山市は訪問介護事業所の激戦区です。その上、私の所属する「ゆうゆうステーションおやま」は開業から2年目の非常に新しい事業所。だから、基本的には「どんなご依頼でも受ける、遠方でも断らない」というスタンスで運営しています。訪問エリアは広く、小山市のほかに栃木市や宇都宮市、下野市、野木町あたりにもお伺いしています。
―そうなると、移動は車ですか?
室岡さん:ええ、もっぱら社用車です。距離が長いので自転車やバイクではちょっと無理があるし、場所によっては公共の乗り物などでの移動が厳しいところもありますから。このあたりで訪問介護に従事するなら車の免許は必須でしょうね。
―1日にどのくらい移動なさるんですか?
室岡さん:その日の移動ルートや業務内容によっても差がありますが、例えば、栃木市内にお住まいの利用者さん宅を2往復すると、それだけで100km近い距離を移動することになります。土日は割と遠方の方がご利用になるので、その2日間だけで往復85kmくらいは移動しますよ。だからでしょうね、社用車は納車かまだら2年も過ぎていないのに、既に5万km以上を走っているんですよ。
▲利用者宅に到着したところ。この日2件目の訪問。
―物凄い移動距離ですね。
室岡さん:ええ、だから最初は戸惑いもありました。今の仕事に就く前のことですが、千葉や埼玉に住むヘルパー仲間から「移動には公共の乗り物や自転車、バイクを利用している」、「車で移動してもそんなに遠方には行かない」と聞いていたので、小山あたりでもそんなものだろうと高をくくっていたんですよ。ところが、実際は大違い(笑)。入社してすぐの同行訪問で向かった先は、車で片道40分以上のところでした。その時は、なかなか目的地にはたどり着かないし、景色はどんどん寂しくなっていくし、「どこに連れて行かれちゃうんだろう・・・」って不安になって泣きたくなりましたね。
実は私、運転免許は持っていたものの、今の事業所に入るまでは殆ど運転したことがなくて、ペーパードライバーといっても過言ではなかったんですよ。だから、ちゃんと運転できるのか疑わしかったし、最初は本当に怖かったですね。でも上手い下手とか、好き嫌いとかじゃなく、仕事のために毎日運転しなきゃいけませんからね。運転技術は以前に比べればいくらか向上したと思います。
―今はどうですか?
室岡さん:仕事にも運転にも慣れてきたってところでしょうか。最近になってようやく「遠方への訪問はちょっとした旅行気分だなぁ」なんて思える余裕が出てきました。そういう余裕が出てきたからかもしれませんが、仕事を楽しめるようになってきたかもなって思います。