最近、毛糸で編んだネックレスが流行っているようだ。黒柳徹子さんが青とグレーの葉っぱの形をした毛糸のネックレスをしていた。私は心が動いた。
小学校3年生のとき、友達がかぎ針で編み物をしていた。私も足指でできるかもしれないと思い、道具を借りてやってみた。くさり編みはすぐにできた。細編みや長編みは時間がかかったがマスターしたので、母に毛糸とかぎ針を買ってきてほしいと頼んだところ、「あなた何言うのよ、編み物なんてできないでしょう」と言われた。でも私はしつこく買ってきてほしいと頼み、母は根負けして私の望みのものを買ってきてくれた。
足指に毛糸を巻きつけ編んでみせた。母は私の足を握りながら「あなたには負けたよ」と言い、私の足の甲には涙が流れてきた。それから母は足を使うことを許してくれたのである。マフラーやショールやパッチワークをたくさん作り、ベッドカバーまで手作りした。心が動いたそのネックレスがあの時代に流行っていたならば、私はもっとたくさん編んで、お金も儲かったかもしれない。そう思うと悔しくてならない。
私は地域で生きるために障がい者運動を行った。その資金を集めるために毛糸で針刺を編んだ。針がさびないように、中には人の髪の毛を美容室でもらってきて入れた。今も1個だけ残っている。それは私の青春時代の宝物である。
「ネックレス編みたいな。でも、もう昔のように左足が動かなくなってしまった。悔しいな」と一人で何度もつぶやいている。
いくら夢があってもある程度のお金がなければ、夢は実現できないことを嫌というほど知った。原稿を書いているときも、この原稿の1行が1円になるか、10円になるかと考えて書いている。そうして資金を運動に使っていたからだ。お金に困っている仲間たち、毛糸でネックレスを編んでください。デザインが素敵なら高く売れますよ。