私は首が痛くて仕事を休んでいた。しかし、秘書とヘルパーさんたちのストレッチ体操により、身体が日々よくなってきていることを知り、心の底からヘルパーの手は神の手だと思っている。ストレッチ体操は専門家の人から学び、ヘルパーさんたちに教えていく。これは、自分自身に厳しくしないと続けられないことだと思う。障がいが重くなり、寝返りもしていただかなくてはならなくなった。仕事が増えて申し訳ないという気持ちが強くある。しかし、ヘルパーさんたちも一緒に戦ってくださっているということを感じ取り、幸せも感じている。ヘルパーを受け入れるのは、自分を厳しくすることだと改めて教えられた。日々学びの時だ。
筋ジストロフィーなどの人たちが、24 時間、夜中も「足を3㎝曲げてほしい」「お尻を2㎝右に動かしてほしい。頭を左に」という細かいケアの注文をしているのを見て、私は少しわがままではないのか、本人が寝ている暇があるのか、などと不思議に考えていた。しかし、いざ私が身体じゅうの筋肉が動かしにくくなったとき、鉄の上に足のかかとがのっけられてる感じがし、「足を2㎝ぐらい曲げてください」と頼んだとき、彼らの生きていくつらさがすべてわかったような気がした。身体障がい者のことは、何でもわかっていると鼻を高くしていた私だが、熱が出て突然身体じゅうが動かなくなったとき、人間は頭でわかることと、感じることではまったく違うということを経験した。どうやってうまく人からケアを受けることができるか、頭で原稿をつくらなければいけない。
生きることは、私たちにとって一瞬一瞬の仕事だ。自分の苦しさ、歯がゆさ、喜び、悲しみ、をヘルパーという私の手に伝えなければいけない。その仕事は生きている限り手を抜いてはいけない。相手に厳しい仕事を望むなら、自分も厳しく生きなければいけない。つらいですね。
たまには、一人で泣ける時間がほしい。