初めて訪問介護の実習を体験した学生から、「自宅で暮らす高齢者は生き生きしていると感じました」と報告を受けました。施設で暮らす高齢者からは感じられない“輝き”を、居宅で暮らす高齢者から感じたというのです。訪問介護員だった私は嬉しさを隠しきれず、「そうでしょ!」と即座に返答。このとき、満面の笑みで答える自分に訪問介護員としてのプライドを強く感じました。
その後、日常生活において、『利用者の価値観を尊重した支援がご本人の主体性維持につながる』といった話や、『自分らしく生き生きと暮らせる生活環境をつくることの大切さ』、また『訪問介護の魅力』について学生に語りかけながら、自分自身も、サービス提供責任者のアセスメント力こそが、適切な支援提供において重要であると再認識しました。そのため、学生には、利用者が生き生きと生活できるのは、「適切な訪問介護計画につながるサービス提供責任者の高いアセスメント力があるからだ」とも説明しました。
実際、サービス提供責任者は、アセスメントを通して利用者の生活を理解・解釈し、利用者にどのような支援が必要かを判断したうえで、具体的かつ継続的な支援方法を導きます。豊かな知識・技能・経験・人間性を持つサービス提供責任者による的確なアセスメントから導かれた根拠ある介護サービスは、担当する訪問介護員や利用者が納得する支援につながります。また、利用者やそのご家族、担当訪問介護員の笑顔をも引き出します。つまり、自宅で生活する高齢者や障害者の皆さんの生き生きとした暮らしは、サービス提供責任者のアセスメント力に支えられているといっても過言ではありません。
今後、利用者と訪問介護員の輝く笑顔が、介護福祉士を目指す学生たちを居宅介護へと誘ってくれることでしょう。また、高いアセスメント力をもったサービス提供責任者が活躍することで、今まで以上に、生き生きと暮らす高齢者や障害者が増えていくのではないでしょうか。